
2002年9月
エネルギーを使って筋肉を緩めましょう
◎「伸展する筋肉」を伸ばす
よく「骨が硬い」という人がいます。前屈(床に座り上体を前に倒す)や開脚前屈(両脚を開き前屈)を行ったときに、硬いと思われる方が多いのではないでしょうか。
しかし、前屈のように脚を伸ばした状態では硬い身体も、椅子に座った状態で身体を前に倒すと胸が腿につきませんか? これは、決して関節が硬いのではない、ということを証明しています。
ではなぜ脚を伸ばした状態では硬くなるのでしょう。
関節を動かすときは、「収縮する筋肉」と「伸展する筋肉」との働きが作用します。このうちの伸展しなくてはならない筋肉が硬縮していて伸びきらなければ、それ以上関節は曲がらなくなるのです。
◎いろんな筋肉を緩めよう
実験をしてみましょう。
脚を伸ばした状態で前屈してみてください。脚の裏側が突っ張っていませんか。
もちろん前屈で伸びなければならないのは、脚の筋肉だけではなく全身に関連するはずです。
ポイントになる幾つかの筋肉を緩めることで、どのくらいの変化があるか、やってみましょう。
一、起立筋 二、腰方形筋 三、殿筋 四、外旋筋 五、半健様筋 六、大腿二頭筋 七、腓腹筋
などでしょうか。参考書があれば調べてみてください。無くても大丈夫。例え起立筋がどの筋肉か知らなくても「起立筋」と思って抜けば取り出せます。
あとは、トリートメントをすれば筋肉も緩みます。「黄金の手」(アクセル拘縮筋のオートロード)をお持ちの方は、それを使ってください。トリートメントでは効果が出にくいと思うのなら、イメージを使い手で筋肉をぐにぐにする「手動パパベル」で緩めてもいいと思います。
◎あぐらをかけない場合は
次にあぐらをかくと膝が立ってうまく座れない、という人について考えてみましょう。結構不便なようですので。
これも、筋肉が硬くなって伸びないのが原因です。膝が立たないという方でも、床に座って足の裏を合わせ、左右に脚を広げて床に足をつけるようにすると突っ張る筋肉があると思います。
この筋肉を緩めればいいのです。*大内転筋、長内転筋、薄筋(はくきん)などがおもな筋肉です。一つずつ丁寧に緩めてみてください。座り心地がよくなればOKです。
スポーツをしている方も各部の可動域が広がると負担が少なくなり、動きがよくなるようです。以前陸上競技をしている中学生を調整したことがありますが、意外と股関節が硬く可動域が狭かったため、緩めて大きく動くようにしたところ、タイムが上がったとのことでした。
◎怪我の防止と健康のためにも
痛みや辛さが無くても身体が硬い、という方は結構いらっしゃいます。
色々と身体を動かしてみて硬いと思えるところがあればいっぱいまで動かして、そのとき突っ張っている筋肉を緩めてみてください。意外と柔らかくなったりするものです。
最後に、身体全体を柔らかくするイメージによるエクササイズを簡単にご紹介しましょう。
頭の先から順番に足の指先まで、揺らぐように筋肉が緩んでいきます。次に同じように骨が緩んでいきます。時間をかけてゆっくりやりましょう。最後に内臓も同じように緩んでいきます。
身体が緩みしなやかになると、怪我をしにくくなり、健康にもいいので、ぜひなさってみてください。

*前屈・開脚前屈をしてみましょう。突っ張る筋肉はありませんか。
そこをエネルギーで緩めてみましょう。可動域が広がるはずです。